家族も増え、子どもの成長と共に部屋の狭さを感じるようになってきたものの、マイホーム購入にはなかなか踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
『あそこの広い土地、分譲の建売住宅が10棟建つ予定なんだって!これ、チラシよ。』
『へ~そうなんだ。あれ?思ったより安いね!』
『そうなの!建売住宅って安いのね!私たちもそろそろマイホーム、買ってみない?』
『でも、建売住宅は不安だな・・・。注文住宅のほうがいいんじゃないかな?』
建売住宅は、注文住宅に比べて安価です。
一方で、安価であることから、造りに問題があるのではないか、と不安視する方が多いのも事実ですが、安価で提供できる理由がしっかりと存在します。
今回は、建売住宅がなぜ安価なのかについてご説明しながら、実際に建売住宅を買った方のブログをご紹介し、そして、建売住宅購入のお金の内訳まで、解説していきます。
建売住宅の購入を検討されている方は、ぜひとも最後までお読みください!
もくじ
建売住宅って買っても後悔しない?建売住宅の不安と対策

建売住宅は、広い分譲地が区切られた上で、似たデザインの一戸建てが何軒も建てられます。
そして完成した物件をそのまま購入することになります。
完成途中や完成前の物件もありますが、どのような建物が建てられるかについては、建築確認申請手続きが進んでいることから、あらかじめ決まっています。
この点で、土地探しから住宅の間取りやデザインを最初から決めていく注文住宅とは大きく異なります。
すでに建築済の物件を購入したことにより、購入後に実際に入居してみて、後悔をしたという方もいらっしゃいますので、そんな失敗例をいくつかご紹介しておきましょう。
建売住宅購入後のよくある失敗例3選
今回は、建売住宅購入後によくある失敗例として、3つの失敗例と注意点をご紹介します。
間取り変更などのプランを変更できると聞いていたのにできなかった
建売住宅は、先述したとおり、基本的にどのような建物が建てられるか決まっているものです。
そのため、「多少の間取りやプラン変更はできます」という営業マンの言葉を鵜呑みにしてはいけません。
しかし、プラン変更が絶対にできないというわけでもありません。
「できる部分とできない部分がある」というのが正しい表現になります。
例えば、構造造の理由で間取りを変更できないというのは至極当然の話です。
そのため、どのような変更ができるのかについては、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
壁紙の種類なら変更できます、フローリングの材質なら変更できます、キッチンの種類なら変更できます、という具体的な確認が良いでしょう。
変更が大幅になると、建築確認申請の取り直しになることもあります。
部屋が思ったより狭かった、駐車場が狭いと気が付いた
建売住宅は、売買契約の時点ではまた未着工であるケースも多々あります。
そのため、完成時の内覧会の時に、「思ったより狭かった!」と後悔する方もいらっしゃるのです。
それは、図面に書かれている畳数を鵜呑みにしてしまった結果ともいえます。
もちろん、畳数に偽りはないものの、部屋の形や窓の大きさなどによって、印象は大きく変わってきます。
また、比較対象となる現在住んでいる家の部屋の畳数が正しいとも限らないため、できれば寸法が書かれた平面図などを不動産会社の方にお願いをして手に入れて、実寸について、現在住んでいる家の部屋と比べるべきでしょう。
また、駐車場についても、現在所有の車が停められる大きさだから大丈夫という考えではなく、いずれ車を買い替えた時に、前後のスペースに問題がないかについても、確認しておくべきでしょう。
見えない箇所の施工ミスがある欠陥住宅だった
現在の風潮から、施工ミスが頻発しているとは考えにくいのですが、それでも実際に起こりうる施工ミスはあります。
たとえば、異様な臭いに気付いて床下を点検したら漏水していたとか、上階が暑すぎるので点検したら断熱材が入っていなかったなど、見えない部分での施工ミスが後になって発覚することはあり得ます。
これらの対策の1つとして考えられるのは、第三者機関への住宅診断依頼です。
日本でも浸透し始めてきましたが、この専門家による住宅診断(ホームインスペクション)によって、客観的な住宅の診断が可能です。
完成途中なら建築段階で確認してもらうこともできますし、完成後であっても床下や屋根裏など、確認できる部分は確認してもらえます。
ホームインスペクションにお金をかけたくないという方は、インターネットで調査をすることも有効です。
施工メーカーに欠陥住宅での紛争事例が無いかなど、確認することは可能です。
ただし、口コミなどについては全ての情報が正しいとは言えないため、情報の取捨選択は、心がけましょう。
建売住宅はなぜ安く建てられるのか?注文住宅と比較したカラクリを解説

続いて、なぜ建売住宅が安く建てられるかについて説明していきます。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅と注文住宅の違いは、すでにどんな建物が建設されるかが決まっている土地と建物をまとめて購入するか、土地探しから購入、施工会社探し、建物のデザインまで、全て一から決めていくかの違いです。
注文住宅は全て一から決めていくため、その最大のメリットは、唯一無二のオリジナルのマイホームを作ることができる点です。
しかし、非常に手間がかかり、こだわればこだわるほど、コストが高くなりやすいというデメリットがあります。
一方、建売住宅は自由度が低いというデメリットがありますが、多くのメリットを有しています。
注文住宅のデメリットでもある手間がかからず、コストが低いというだけではなく、販売価格が決まっているために資産計画が立てやすいというメリットがあります。
さらに、大規模な分譲住宅であれば、道路などが整備され、それに合わせて近隣に買い物をする場所や医者などが開業されることがあるという環境面でのメリットもあります。
そして、隠れたメリットとしては、将来的に住み替えがしやすいという点です。
オリジナリティあふれる自分だけのマイホームは、万人受けしない売りづらい家とも言い替えができます。
その点、建売住宅は、万人受けしやすい家が建てられていることになります。
結果として、将来の住み替えの際にも、買い主が見つかりやすいといえるのです。
建売住宅が注文住宅より安い理由
建売住宅が注文住宅より安い理由は、分譲地に住宅がまとめて建築されるという点に尽きます。
建築に必要な重機や建機は共有利用され、建材や部品のまとめ買い、人材の共有や流れ作業による効率化など、多くの面でコストを抑えることができるのです。
一方で、注文住宅は、全ての工程においてあなたの家のためだけに準備されることになります。
その分、人件費を含め、コストが高くなっていくというわけです。
建売住宅がおすすめな人はこんな人
さて、以上の内容を踏まえ、建売住宅がおすすめな人は、コストを抑えたいという方だかではなく、時間をかけずにできるだけ早く新居で暮らし始めたい方や、すでに決まっているものから自分の好みを選んでいきたい方などが挙げられます。
また、将来的には実家を継ぐ可能性がある、両親と一緒に住む可能性があるなど、住み替えや家の売却を検討する可能性がある方も、建売住宅を選ぶべきでしょう。
実際に建売住宅を買ってどうだった?役に立つブログ・体験記6選

ここでは、実際に建売住宅を買った人たちのブログをご紹介します。
注文住宅のようなオリジナリティを出すために、みなさまいろんな工夫をされている様子がうかがえます。
是非参考にしたい~建売住宅を買って成功!満足!のブログ
参考ブログ⇒ 建売住宅生活記
2011年当時、35歳だったサラリーマンの旦那様が、結婚の際に購入した3LDKの分譲マンションから、建売住宅購入を進めていく様子が綴られています。
お子様たちの元気な成長の様子も垣間見ることができるブログです。
後悔しないために読んでおきたい~建売住宅を買って後悔・失敗のブログ
参考ブログ⇒ 家しごと
建売物件から注文物件に住み替えて良かった点などを載せています。
実体験を載せてらっしゃるので非常に参考になります。
実物の建売住宅を見る前にWEB内覧会で予習できるブログ
参考ブログ⇒ ひなこの建売購入記録
建売住宅に引っ越しをした2児の母であるひなこさんが、購入したての家をWEB内覧会として紹介しています。
参考ブログ⇒ すっきりでナチュラルなおうちライフ
2008年の春に竣工前の建売住宅を購入し、夏に引っ越しをしたはちみつ522さんの建売住宅について、WEB内覧会で自身の家を紹介しています。
建売住宅でもまるで注文住宅!?ひと工夫でおしゃれな家になる方法満載のブログ
参考ブログ⇒ 時暮らし 〜建売でも快適に暮らす工夫*こどものいる暮らしを楽しく!〜
注文住宅に憧れを持ちつつも、建売住宅の購入になったため、少しでもおしゃれに素敵な暮らしがしたいという5人家族の筆者さんが、子どものためのDIY、押し入れをクローゼット風に改造など、様々な方法でおしゃれにアレンジしている様子を紹介しています。
建売住宅のインテリア・収納のアイデアが詰まったブログ
参考ブログ⇒ 我が家は建売3人家族
こちらは、建売住宅に入居されて約10年になるご家族のブログです。
建売住宅に愛着が持てなかったというご家族が、インテリアや収納にこだわり、まるで注文住宅かのような快適な生活を送る様子見ることができます。
建売住宅を購入したらかかるお金の内訳

コストが安いという大きなメリットのある建売住宅ですが、実際にはどのくらいかかるものなのでしょうか。
住宅の購入時にかかる費用、オプション工事にかかる費用、購入後にかかる費用などをご説明します。
建売住宅購入時にかかる初期費用
建売住宅を購入する際には、建物(+土地)の購入価格だけではなく、それ以外の様々な初期費用が発生します。
具体的には、以下の5種類です。
①売買契約書やローン(金銭消費貸借契約書)契約書に張り付ける印紙代
②登記代(保存登記、表示登記、および司法書士への報酬)
③ローン関連費用(保証代と手数料、事務手数料)
④火災保険料
⑤固定資産税清算金
⑥仲介手数料
これらの費用が初期費用として挙げることができますが、相場としては、建物の購入価格の5~10%程度といわれています。
「仲介会社に払うお金」と「売主に払うお金」
先述した初期費用の中で、⑤の固定資産税清算金と、⑥の仲介手数料について解説していきます。
固定資産税清算金は「売主に払うお金」
固定資産税清算金は、不動産を買った年に課税される固定資産税と都市計画税を売主と按分するために「固定資産税(都市計画税)精算金」を売主に支払うのが通例となっています。
ちなみに、この清算金は税金ではなく、購入代金の一部として扱われることになるため、建物代金に加算されて請求される場合もあることは注意が必要です。
なお、固定資産税の精算は、引き渡し日を境に日割り計算としますが、一般的には起算日は1月1日です。4月1日を起算日とする地域もあるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
仲介手数料は「仲介会社に払うお金」
仲介手数料は、仲介会社に支払う報酬ですが、その上限は決められており、基本的には「物件価格×3%+6万円」で計算が可能です。
ただし、仲介手数料には消費税がかかるので、実際に支払う金額は消費税10%の場合、「物件価格(税抜き)×3.3%+6万6000円」の計算式で算出できます。
2,000万円の物件であれば、726,000円、3,000万円の物件であれば1,056,000円と高額ですが、あくまでも「上限」ですので、仲介会社によっては値引きがされる場合もあります。
建売住宅のオプション工事にかかる費用
オプション工事には、カーテンレール、照明、テレビアンテナ、エアコン、床暖房や浴室暖房乾燥機など、様々な種類がありますが、このように、設置されているのが当然だと思っている設備がオプションとなっていることには注意が必要です。
オプション工事の価格はその工事の内容によってピンからキリまでありますが、自身で手配したほうが安価になる可能性があるものから、先にお願いをしておいたほうが良いものまで様々ですので、どのようなオプション工事があり、費用がいくらかかるかについては、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
建売住宅を購入した後にかかるお金
建売住宅購入後にかかる費用としては、引っ越し代や家具の購入代の他に、不動産取得税が挙げられますが、自治体から送られてきた納税通知書で納付することになります。
不動産取得税については「固定資産評価額×税率」ですが、一定の要件を満たすことで、軽減措置を受けることができます。この軽減措置は申告が必要であり、期限も決められているため、注意が必要です。
建売住宅を購入する際の3つの注意ポイント

最後に、建売住宅を購入する際に注意すべき3つのポイントについて、ご説明します。
①資金計画は必ず立てる
建売住宅は、最終的に必要な費用決まりづらい注文住宅とは違い、あらかじめ販売価格が決まっています。
そのため、ライフイベントに応じた資金計画を立て、無理のない返済計画を立てることが可能です。
子どもの受験や入学などの際には、様々な費用がかかるため、これらのイベントを見越した計画を立てるようにしましょう。
②できる限り周辺環境をチェックする
土地探しから入念に行う注文住宅とは異なり、建売はあらかじめ決められた建物や場所を購入することになるため、周辺環境のチェックや下見を怠りがちです。
住んでから後悔をしないようにするためにも、曜日や時間帯を変え、周辺のチェックをしておくべきでしょう。
③施工会社の情報やアフターサービスをチェックする
先述したとおり、インターネット上で施工会社の口コミや紛争事例などが無いか確認しておくことは、欠陥住宅を購入することがないようにするための自己防衛の手段です。
また、仲介業者のアフターサービスについても、購入後のトラブルなどに対応してもらえるのか、あらかじめ確認しておくべきでしょう。
まとめ
建売住宅は、注文住宅には無い多くのメリットがあることがお分かりいただけたと思いますが、デメリットに対しても、様々な手段で対応することが可能です。
あらかじめ、どのようなメリットとデメリットがあり、どんな失敗例があるのか、そして、デメリットに対してはどのような手段を講じるべきか、インターネット上のブログなどを参考とし事前学習ができことは、現代ならではの大きなアドバンテージともいえます。
一世一代の大きな買い物ともいえるマイホームの購入ですから、購入した後に後悔をすることが無いよう最善を尽くし、ぜひとも「自分だけの城」を手に入れてみてください。



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